
古木大咲氏は、現在、東証一部に上場しているIoT・デザインアパートメント運営会社を経営していますが、順調な経営に至るまでに何回もピンチが訪れています。
しかし、古木大咲氏は発想の転換やヒラメキによってピンチをチャンスにうまく変えていったのです。
古木大咲氏は具体的にどうやってピンチをチャンスに変えられたのでしょう?
そこで今回は、古木大咲氏が行ってピンチをチャンスに変えた方法についてご紹介していきます。
起業をしようと思っている人はもちろん、既に自分自身がピンチな状況に陥っていて、どうすればチャンスに変えられるのかを知りたい人、他にも古木大咲氏に興味があるという人は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
リーマンショックでの大打撃
古木大咲氏が経営する会社の売上が着実に伸びていくなか、2008年にリーマンショックが起きてしまいます。
リーマンショックは世界中の経済に影響を与え、古木大咲氏の会社も例外ではありませんでした。
初めにリーマンショックの概要と、古木大咲氏の会社に与えた影響についてご紹介しましょう。
■リーマンショックについて
まずはリーマンショックについてご説明しましょう。
リーマンショックは2008年9月15日に起きた、米国の銀行・証券会社「リーマン・ブラザーズ」が破綻したことをきっかけに、株価が大暴落した出来事です。
リーマン・ブラザーズは米国4位の大手銀行ですが、サブプライムローンという証券商品を大量に抱え込んでいたため破綻に至りました。
サブプライムローンとは社会的に信頼度が低い層を対象にした高金利の住宅ローンです。
当時は、もし債権者が返済を滞っても担保にしてある土地や建物を売れば良いという考えがあり、サブプライムローンは人気を集めました。
当時、アメリカの住宅価格は高騰傾向にありましたが、次第に下落傾向に切り替わってしまいます。
そうなると売却しても利益は得られず、売れば売れるほど銀行やローン会社は損をする状態に変わってしまったのです。
サブプライムローンの筆頭だったリーマン・ブラザーズは大きな打撃を受け、その結果破綻することになりました。
その影響で大手銀行が次々に破綻していき、世界恐慌を招く事態となりました。
■古木大咲の会社への影響
リーマンショックは金融機関だけではなく、一般企業にも大打撃を与えることになりました。
この時期は人件費を抑えるために、リストラや自主退職を促す会社も増え、就活市場は氷河期に突入します。
古木大咲氏の会社も例外ではなく、銀行から融資してもらえない事態に追い込まれます。
当時、古木大咲氏の会社は従来の不動産会社と同じく、購入した土地にアパートを建てて、一棟を完成させて販売する、という一般的なビジネスモデルでした。
しかし、多額の在庫を抱えていることが会社にとって大きな負担になっていました。
手形でお金を借りていたものの、買い手がつかないため業績が伸びず返済が難しくなり倒産寸前でした。
20名のスタッフにも給料を支払えない状況が続き、中には会社を自主的に去る者もいたそうです。
苦しい状況が続きましたが、年末までには無事に業績が回復し、従業員へは前年度よりも多めに給料を支払うことができました。
倒産は回避できましたが、いつ起きるか分からない金融危機が再び起こった場合、今のビジネスモデルでは同じ危機に追い込まれることになると古木大咲は悟ります。
これ以上、自社を存続の危機にあわせないためにも、新しいビジネスモデルの構築が必要と考え、事業内容を見つめ直すことにしました。
発想の転換でピンチをチャンスに
リーマンショックで倒産の危機に追い込まれた古木大咲氏ですが、その経験から新しいビジネスモデルの模索を始めます。
在庫販売型モデルのリスクと共に、ピンチをチャンスに変えた新しいビジネスモデルについてご紹介しましょう。
■在庫販売型モデルのリスク
古木大咲氏は今まで土地を自社で購入し、そこにアパートを建てて経営したい人に販売していました。
このモデルは一時的ですが、土地や物件といった商品を在庫として抱えることになります。
不動産は倉庫などに保管できるわけではないので、売れるまで商品を管理して維持する必要があります。
アパートを在庫として管理するためには多額の費用を必要とするため、買い手がつかないと多額の負債を抱えることになるわけです。
リーマンショックで銀行から融資を受けられない状況が続き、さらに顧客からの買い手もつかないので資金難に陥りました。
在庫販売型モデルは金融危機に陥った時、非常にマイナス面が大きいというリスクを抱えています。
古木大咲は従来のビジネスモデルでも売上を伸ばしていたので、このやり方に疑問を持っていませんでした。
しかし、リーマンショックの経験から在庫を持つリスクを実感し、やり方を改めることにしたのです。
■古木大咲がシフトチェンジした無在庫型販売モデル
新しいビジネスモデルを模索する中、古木大咲は「土地とオーナーをマッチングさせ、アパートを受注する」という業務フローを考えました。
無在庫販売のモデルは他業界では良くあるものの、今まで不動産売買の世界では発想もしなかったスタイルです。
しかし、在庫を一切抱え込む必要がないので、在庫を仕入れるという手間がなくなり、無駄な資金をかけることもないので安定した経営を維持できるというメリットがあります。
■無在庫販売型モデルの業務フロー
古木大咲氏の無在庫販売型モデルは次の業務フローとなっています。
・土地選び
アパートオーナーになりたい人に向けて、多数の不動産会社から土地情報を紹介しマッチングさせます。
・アパートを建設
理想的な土地が決まればオーナーに購入してもらい、アパートのデザインなどを提案し建設となります。
・アパート経営開始
アパートが完成したら経営を開始します。
管理代行も行っているので、オーナーは負担なくアパート経営が可能です。
古木大咲氏はこのビジネスモデルを確立するために長い年月を要したそうです。
新しいビジネスモデルに対する不安から、始めのうちはどんなに説明しても顧客から理解を得られなかったようです。
粘り強くITのメリットを打ち出し続けた結果、賛同者が増えて今のビジネスモデルが世の中に受け入れられるようになりました。
ヒラメキから突破へ…その方程式とは
IoTを駆使したスマートホームを手掛ける古木大咲氏は、これまで不動産業界に見られなかった新しいビジネスモデルを考案しました。
成功を得るまでに経営危機に陥り窮地に立たされた古木大咲氏ですが、このピンチをチャンスに変えて急成長を遂げます。
そして、一つのヒラメキから突破につながる方程式を生み出しました。
彼の起業家らしい考え方を、ここで検証していきましょう。
■目の前のことを一つひとつ解決していく
リーマンショックという経営危機をバネにした古木大咲氏は、結果としてビジネスモデルの考え方を大転換させることになります。
在庫を抱えるリスクを身にしみて感じていたことから、従来の不動産売買ではあり得なかった「無在庫型」のビジネスモデルを模索し始めたのです。
当然、最初は金融機関もこのビジネスモデルの考え方にリスクを感じていたため、融資を受けることも難しかったようです。
それでも古木大咲氏は、理に適っているこのシステムであれば、丁寧に説明しメリットを理解してもらえることができれば、必ず賛同してくれる人はいる、という一心でいました。その結果、土地から選べる賃貸経営という画期的なビジネスを完成させたのです。
この長い月日の中で古木大咲は「目の前の課題に対して一つひとつ丁寧に解決していく」という努力を積み重ねています。
この努力こそが彼の中の方程式になくてはならない要素だったのです。
■高品質かつローコストを実現させる
このビジネスモデルが定着し始めてからは飛躍的な成長を遂げることに成功しています。
土地を所有していない状態でアパート経営を始めようと考えた場合、これまでのやり方では業者が保有している完成物件を購入するしかありませんでした。
しかし、古木大咲氏はオーナー自身が土地の場所や賃貸物件のデザインに携わることができれば、きっと高い支持が得られると考えたのです。
古木大咲氏は、これを実現させるために全国主要都市の不動産会社との間で取引体制を整えました。
こうして、オーナーになりたい人と非公開の優良な物件をマッチングすることを可能にしたのです。
新しく賃貸を建てることは入居率を高め、優れたデザイン性やIoTを導入した快適な生活空間は多くの支持を集めることになります。
斬新なアイディアを考案した古木大咲氏ですが、最初からうまくビジネスを運営していたわけではありません。
彼は、発想の転換でこのような成果を得ることができましたが、問題解決の突破口の裏側には「努力」がありました。
良いアイディアを閃くためには「問題意識」や「知識」も必要不可欠だったのではないでしょうか。