熱海・土砂災害の原因は麦島善光氏?行政の対応は正しかったのか

令和3年7月に起きた熱海の大規模土砂災害では20名以上の死者や行方不明などの人的被害と、家が流されるなどの物的被害が発生しました。
災害が起きた原因は何か、誰のせいなのかと日々議論が続けられています。
そんな中で災害関連のメディアやSNSで名前が挙がっているのが、麦島善光氏です。
今回は熱海の土砂災害についてと麦島善光氏との関連性についてご紹介していきます。
熱海の土砂災害の詳細が知りたい方は、ぜひご参考ください。

熱海市で起きた土砂災害とは?災害の原因は盛り土?

熱海市で発生した土砂災害の原因は盛り土だと推測されています。
まずは熱海土砂災害と盛り土について詳しく解説していきましょう。

熱海土砂災害とは?

熱海土砂災害とは、令和3年7月に静岡県熱海市伊豆山の逢初川で発生した大規模土石流災害です。
その当時、停滞した前線へ向かって湿った空気が東日本へと流れ込み、東海地方や関東地方南部周辺で災害レベルの大雨が降っていました。
熱海市にある観測地点で計測された降り始めからの降雨量は400mm以上であり、7月の観測史上でトップレベルを記録しています。
大雨によって土砂が崩れ落ちて濁流となり、傾斜地の住宅街を飲み込んでいきました。
その被害範囲は延長約1km、最大幅は約120mにも上ります。

熱海の盛り土とは

熱海土砂災害の原因と言われている盛り土は、平成21年に神奈川県にある不動産会社が手掛ける開発に伴ってへこんだ谷を埋めるために盛られました。
実際に工事が始まると計画以上の莫大な土砂が現地へと運ばれ、熱海市は業者に対して搬入を止めるよう注意喚起が行われています。
計画上では15mの高さとしていたのに、その高さの約3倍の約50mの高さの盛り土となってしまったのです。
土砂の量としては、今回の災害で崩落しなかった分も含めると計画上の約2倍にあたる量が盛られていたとわかっています。

麦島善光氏が災害の原因?責任問題を問われている理由とは

今回の災害の原因だとも言われている盛り土ですが、その所有者は麦島善光氏です。
そのため、メディアなどでは所有者の麦島善光氏に責任問題があると騒がれています。
本当に所有者の麦島善光氏が原因なのかどうかを知るためにも、麦島善光氏と土石流災害の関連性を見ていきましょう。

麦島善光氏とはどんな人物?

麦島善光氏は、実業家の一人です。
昭和11年生まれの御年80歳を超える人物で、日本でも数少ない敏腕実業家です。
22歳で建築会社を設立して社長となり、その後も数々の会社設立に携わってきました。
平成11年には積極的にM&Aを実施し、麦島善光氏が手掛ける企業は確実に成長を遂げてきました。
平成16年には各グループ会社を一つにまとめて、ホールディングス化を実施し、代表取締役会長兼社長や建設会社の代表取締役会長兼社長を務めていましたが、平成31年3月までにはすべて退任しました。
退任後は、学校法人の理事長を務めるなどの学校経営にも参加しています。

麦島善光氏と熱海の土石流災害の関連性とは?

熱海の土石流災害が発生した原因は盛り土が大雨で濁流となって流れ込んだことが要因の一つと言われています。
そのため、その土地の所有者である麦島善光氏が今回の災害に関係しているとされているのです。
実際、麦島善光氏と熱海の土石流災害の関連性はあるのかご紹介します。

盛り土を行ったのは別の人物

麦島善光氏が土地を購入したのは平成23年です。
それまでは神奈川県のある不動産会社が所有しており、その業者によって地域の開発が行われていました。
開発に伴って谷を埋める必要があるとして、今回崩落した盛り土が盛られたのです。
不動産会社は熱海市に条例範囲内の盛り土を行うことを申請し、市も許可していました。
しかし、提出された計画書に記載された量の2倍以上の盛り土が行われていたことが災害後の調査でわかっています。
その計画書には、雨水を排水するための地中設備や万が一の際に砂の流れを止めるダムの設置などの実施計画が書かれていました。
県が実際に調査したところ、計画書に書かれた設備がなかったことがわかり、適切な処置がされていなかったことが判明しています。
このことからも、災害の原因である盛り土を行ったのは麦島善光氏ではないと言えるでしょう。

麦島善光氏が土地を購入したのは盛り土が行われた後

現場の土地所有者であった不動産会社がその土地を手放す原因となったのが、会社資産の不足です。
会社資金がショートしたことでいくつかの土地や資金の差し押さえがされ、その一つが今回の現場となります。
差し押さえ直後の平成23年2月に麦島善光氏が土地を購入し、その時点では土地開発は既に終了していました。
つまり、盛り土が行われた後に購入したのです。
今回のような大規模の土石流につながったのは、平成21年に設置された盛り土に雨水が溜まり、適切な排水処理がされていなかったことが原因の一つだと考えられています。
約2年間溜まった雨水によって地盤が緩い状態であり、そこに記録的大雨が重なったことで土石流へとつながったとのことです。
ただし、法律上では所有する土地で起きた問題や事故は所有者の責任であるとされています。
今回の災害で麦島善光氏の名前が挙がったのは、その土地の所有者だったからです。
実際の原因が元・土地所有者なのか、現・土地所有者になるのかは裁判の判決を待ちましょう。

行政の責任もあったのか

市と県は10年以上前から盛り土の存在やその危険性を認識していました。
平成23年には盛り土を行った業者に対して安全対策を求める措置命令の検討が行われましたが、発令は行われていなかったことがわかっています。
発令がされなかったことも問題ですが、10年以上前から土砂災害の危険性についてわかっていたにも関わらず、2011年まで行政は行動を起こさなかったのも大きな問題です。
もし行政が10年前に気づいた時点で、もしくは2011年に措置命令を出していれば今回の災害は起こらなかったかもしれないと考える方は多いでしょう。
行政は発令を見送ったのは、「防災工事を実施したから」だとしています。
ただし、実際には不十分な施工であり、排水処理設備が完成した痕跡は残っていません。
また、行政が不動産会社に注意喚起をしても適切に対応がされなかったり、連絡がつかなくなったりしたことも原因だと考えられます。
現在は、国全体で盛り土の危険性や各所の点検などを周知し、法の設備も実施されています。
土砂災害後に周知や法改正がされているのを見ると、行政の行動の遅さが伺えるでしょう。

土砂災害の責任の所在として考えられるのは?

・元土地所有者の不動産会社
・現土地所有者の麦島善光氏
・行政
・記録的な大雨

現時点では確実な原因はわかっていませんが、これらが悪く影響しあって今回の土砂災害につながったのだと考えられます。
麦島善光氏の名前が挙がっていますが、不正な盛り土との直接的な関連は見つかりませんでした。
現在も元・現土地所有者の対応はどうだったのか、行政は正しい処置を行ったのか、または大雨が原因ではないかなど様々な議論がされています。

まとめ

今回は、静岡県熱海市で発生した熱海の土砂災害についてご紹介しました。
責任の所在はどこなのかなど疑問を持つ方は多いでしょう。
麦島善光氏はその土地の所有者だからとメディアで何度も取り上げられているため悪目立ちしている傾向がありますが、今回ご紹介した通り麦島善光氏と盛り土との決定的な関連性は見つかりませんでした。
盛り土を造形したのが元土地所有者であっても、麦島善光氏に責任はあるのかどうかを考える必要があります。
今後、裁判でどのような判決が出るか注目していきましょう。

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